IT企業の面接官が人を選ぶときの思考

この記事の内容

今回は面接官が人を選ぶ時、どのような考えを持つことが多いかということについて書いていこうと思います。
面接対策を考えていく中で、面接官がどういった考えで採用するかどうかを決めているかが分からないと、対策を考えることも難しいと思います。
本記事をお読みいただいて、まずは自分をアピールする際の土台を考える一助にしてもらえればと思います。

面接官の採用基準

まず結論からお話しさせていただくと、
将来、利益を上げられる人材になるかどうか
という基準で面接を行っている企業が多いです。

「・・・・・・営利組織なんだから、そんな当たり前のことを言われても」と思われたでしょうか。
ですが人を選ぶ基準なんてものは、そんな当たり前のことでしかないのです。
これの意味を少し説明していきます。

利益を上げるとは

企業のお金

社員として雇う以上、企業は皆さんにお給料を支払わなくてはいけません。
そのお給料分は自身で稼いでくる必要がありますが、企業運営は給料以外にもお金はかかってくるので、そこも皆さんが稼いでくる必要があるわけです。
従業員1人あたりにかかる費用をざっくりと記載します。

  • お給料
  • 法定外福利費(住宅補助など)
  • 社会保険料
  • 家賃、光熱費
  • 設備費用(パソコン、机やイス、インターネット回線など)
  • 総務、人事等の社内業務担当者分の上記費用

黄色ラインを引いたものは、直感的に分かりやすいものですね。
「福利厚生」を重視する方も多いかと思いますが、これらも実際は皆さんの稼ぎから抽出されます。
社会保険料については「給料からすでに引かれてるじゃん!」と思う方がいるかもしれませんが、
前提として社会保険料は企業と従業員で半分ずつ支払っているものになります。なので、その分も稼いでこなければいけませんね。

赤色ラインを引いたものは、社員全員で分割して稼いでこなければいけないものになります。
事務所を借りていれば当然家賃がかかりますし、仕事で使う備品もすべてお金がかかります。
稼がなければいけませんね。

青色ラインを引いたものは、忘れられがちな部分ですが重要な費用です。
企業運営をしてく上で欠かせない総務・経理・人事・法務とった部署の方々は、社内の業務を行うことになるので直接的に利益を上げることができません。
ではその方々の諸経費をどこから捻出するのかというと。。。皆さんの稼ぎからなんですね。

「稼げる」とはどの程度か

企業運営に必要なお金を大雑把にご紹介しましたが、これらを賄おうと思うと一般的にはお給料(総支給)の3倍程度の稼ぎがあると利益に十分な貢献ができていると言われます。
※粗利ペースの計算が一般的なので、気になる方は「粗利」が何かを調べてみてください。

お給料をもらうというのは大変ですね。
面接官はこの金額を稼ぐことができる人材なのかを見極めようとしてきます。

どこを見て「将来稼げるか」を判断するか

では、面接官は皆さんのどこを見て判断するのでしょうか。
筆者が思うポイントは以下の通りです。

  • 自分から行動できる
  • 言動に「意思」「理由」がある
  • 学習意欲が高い

自分から行動できる

ITの世界は変化が速すぎて、上司や先輩がすべてを指示することは不可能です。面接官は、皆さんが**「指示待ち人間」ではないか**を厳しくチェックしています。

  • 何を見るか:
    • 言われた仕事だけでなく、「もっと良くできる」と気づいた時に、許可を待たずに試した経験があるか。
    • 「課題」や「問題点」を自分で見つけ、どうにか解決しようと動いたストーリーがあるか。
    • 新しい技術やツールを自発的に触ってみた具体的な行動があるか。

面接官は、皆さんの自走力を見ています。誰かの手を借りずに自分の責任で何かをやり遂げたエピソードは、入社後のプロジェクトでも困難を乗り越えられる証拠になります。

言動に「意思」「理由」がある

「なぜその大学を選んだの?」「なぜそのバイトを始めたの?」—一見シンプルな質問にも、面接官は皆さんの判断軸を見ています。

  • 何を見るか:
    • 「なんとなく」「みんながやっていたから」ではなく、「〜という目的を達成するために、AとBを比較して、Cという理由でAを選びました」と論理的に説明できるか。
    • 自分の過去の選択や失敗に対し、感情論ではなく論理的な振り返りができているか。

若いうちは経験が少なくても構いません。しかし、自分の行動や技術選定に明確な「Why(なぜ)」を持てているかどうかが、皆さんを「言われた通りにコードを書く人」から「自ら設計し、チームを導けるエンジニア」へと成長させるカギとなります。

学習意欲が高い

IT業界では、今のスキルよりも「明日、新しい技術を身につけられる能力」の方が価値があります。面接官は、皆さんの学習力を確認します。

  • 何を見るか:
    • 単に「勉強しています」と言うだけでなく、「具体的に何を、どのくらいのペースで、どういう目標を持って」学んでいるか。
    • 難しい技術や最新のトレンドに触れるとき、「ワクワクする」感情や、それを業務で活かしたいという強いモチベーションがあるか。
    • 資格取得自体が目的ではなく、その資格を通じて「何ができるようになったか」というアウトプットを重視しているか。
    • 何かミスをした場合、創意工夫や学習によって同じミスを繰り返さないようにしたか。

この業界で生き残るには、「自己成長への投資」を止めない姿勢が必要です。面接で皆さんの「学習への熱量と具体的な行動」を示すことは、「私はこの会社でずっと価値を生み出し続けます」という、未来への強力な約束になります。

前述したとおり、これらはあくまでも筆者が面接を行う際に気にするポイントです。
ただ、他のIT企業様も基本的には同様の目線なのではないかなと思います。
これらの要件を満たしていると技術者として高いスキルを持つことができ、複数の案件を掛け持ちすることで高い利益を上げることができるようになります。
ここにコミュニケーション能力が追加になると、案件を進めつつ次の案件を獲得してくるといった
スーパー社員が誕生することになります。そうなったら出世コースですね。

まとめ

今回の記事をまとめたいと思います。

  • 面接官は将来稼げるようになる人材かを見極めようとする
  • 「稼げる」とは企業運営費を含めた給料の3倍程度の利益を上げることを指す
  • 見極めポイントは以下であることが多い
    • 自走力:自分から行動できる 
    • 判断軸:言動に「意思」「理由」がある 
    • 学習力:学習意欲が高い 

皆さんの就職活動の参考になれば幸いです。

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